2025年12月19日

後発地震? 2

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少しだけ「格式ばった」議論をしたい。
昨日の、「後発地震注意情報」に関してである。
確か「地震予知連」が長い年月をかけて「地震発生の予報は不可能」という結論を出したように記憶している。そんな結論を出した前だったか後だったか、あの阪神淡路大震災が発生し、それが契機となって「地震電磁気学」に注目する研究グループが活動を始めた。そのグループには、VLF/LFに注目する研究者やVHFに注目するアマチュア研究者がいた。前者の研究者の主張は、「VL/LFの長距離伝搬を継続して監視すれば、地震の発生を予報できる。」と主張した。そして興味深い観測例を、関連の学会で発表し続けた。VHFに注目していたアマチュア観測家は、「大地震の発生前には、VHF波が理論的に考え得る以上に長距離伝搬する。」という観測結果例を報告し、「地震電磁気学」の研究者達はその裏付けとして「地震を起こす地殻の変化が、電離層の鏡像として現れるからである。VLF/LFに現れる予兆現象と原理の本質は同じ。」と解釈を加えた。
こういった「状況証拠」の積み重ねに、地震の専門家の多くは、「残念ながら、地震電磁気学の観測結果は、地震発生の必要条件になってはいても、十分条件を満たしていない。それゆえ予知できるとは言えない。」との立場を、かたくなに守り続けている。
この解釈は科学という観点に立てば、一理も二理もあることは理解できるが、それなら「後発地震注意情報」はどうなのだろう。さらに昨夏の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は一体なんだったんだろうと、天邪鬼爺は訝しく思う。「30年以内に南海トラフ大地震の起こる確率は、80%」といった一般大衆に恐怖心を煽るような予報は、必要条件にしか基づいていないのではないかと思えてならないのである。
早い話「巨大地震は、引き続いて起こることもあればそうでないこともある。10年程前の熊本大地震は予震があって二日後にそれ以上の本震があった。2011年の東北の大震災も同じ。」だったのである。一方昨夏の宮崎の地震も、一週間ほど前の岩手の地震も予震とはなっておらず、予知情報は結果的には一般大衆への注意喚起に貢献しただけのことだったのである。
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2025年12月04日

惨事は続く

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室蘭の日本製鉄で火災が発生した。
不幸中の幸い、室蘭の火災は大惨事にはならなかったようだが、不幸や惨事の続く確率が「f分の1」という話を引き合いにして、「引き続き大火事が起こらなければいいけれど!」と取り越し苦労を書いたのが、佐賀関、香港と続いた火災の直後。
そして、「やっぱりなぁ!」が、室蘭の日本製鉄の火災である。
「f分の1」をもう少し書き砕いて言うなら、
「大きい災害が起こると、比較的短い間をおいて大きな災害が続く」
という事になる。そういえば、あの論文を目にとめたのは、航空機事故が引き続き起った頃だったような記憶がある。科学的に意味のあった議論なのだろうが、門外漢故
「ふうん、そんなものか!」
と感心した。確か電気学会の電磁界理論の研究会で、著者は東京工業大学の大先生だったのじゃないかな・・・。私といえば、あの頃はまだ修士課程か博士課程の学生で、「電磁界理論の研究会で!」と、驚きながら拝聴した。
76歳の天邪鬼爺も、あの頃は未だ未だ青かったのである。
今も青いけど!
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2025年11月11日

ブラジルで竜巻

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ブラジルで竜巻、多くの犠牲者が出たそうだ。
「時速250km」とあったので、「いかに竜巻と言えども、そんなに速くは移動せんやろう?」と不思議に思っていた。ただよく読むと「最大風速時速250km」とあって、我々日本人の良くなれている表現に換算すれば、最大風速70m/秒になるようだ。
それにしても、ブラジルの竜巻はいささか驚き。竜巻と言えば、どちらかと言えば乾燥しただだっ広いところで起こるものと信じていたが、最近はそんな「古典的」な理解を越えた発生が多い。実際日本でも「竜巻だった!」といったテレビ報道があったりするし、私のいる赤道直下のシンガポール界隈でも、マレーシア・マラッカでの竜巻がほうどうされたりしている。今まで観測技術が伴っていなかったので、気付かれなかったのか、はたまた近年の地球温暖化ゆえの結果なのか、興味のあるところではある。さらにはこのような竜巻にも雷放電が伴うに違いないので、干渉計でかんそくしてみたいところである・・・。
(この稿続く)
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2025年10月22日

越冬する蝶

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もう何年も前のことになるだろうか。
一月だというのに珍しく暖かい日があり、その日、庭先を一匹の蝶がひらひらと舞うのを見た。「暖かいから間違って出てきたのかねぇ。すぐ寒くなるのに、かわいそうやなぁ。」
我々の感覚――いや、常識というものでは、蝶は春から夏にかけての昆虫である。
だから私も、あの日の陽気にだまされて、さなぎから早まって出てきたのだろうと、素直に思い込んでいた。その後は季節らしく寒い日が続き、蝶のことなどすっかり忘れてしまった。
ところがあるテレビのニュースだったと思うが、「越冬する蝶」という話題を取り上げていた。
東京都内で、数百匹単位で越冬しているというのである。
彼らは寒さを避け、常緑樹の枝や葉にしがみつき、暖かい日には少しでも居心地の良い場所を求めて飛ぶこともあるらしい。
ただ気温の低い日が続くと体力が落ち、もし地面に落ちようものなら、二度と木々の上には戻れず、そのまま命を落とすという。
逆にいえば、そうした試練を生き抜いた者だけが、次の世代を残せるという、厳しくも確かな自然の摂理なのだ。
恥ずかしながら、私は蝶が成虫のまま越冬するとはまったく知らなかった。
そういえば、これもNHKの「ダーウィンが来た」だったと思うが、春から夏にかけて中米から北米五大湖付近まで渡る蝶の話を見たことを思い出した。
夏の終わりから秋にかけて南に移動し、冬を中米で過ごすという内容だった。
そのとき、一本の木に無数の蝶が群がってじっとしている映像を見て、なるほどと思ったのを覚えている。
あの時どうして「越冬」と結びつけて考えなかったのだろう。
今になって、自分の迂闊さというか、注意力の足りなさに苦笑している次第である。
御常連の皆さまは、蝶が越冬するという話、ご存じでしたか?
ちなみに最初に紹介したニュースによると、地球温暖化の影響かもしれないが、東京で越冬する蝶の数は年々増えているとのことだった。
最後にもうひとつ、蝶には成虫で越冬する種、暖かい地域へ飛んでいって(日本の場合、台湾や琉球)冬を越す渡り種、さなぎで越冬する種、卵で春を待つ種とあるらしい。
ファーブルもびっくりしてるだろうなぁ。あの人暖かい国の蝶しか知らんかったらしいので。
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2025年09月22日

夢の無い話

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39光年先の矮星まわりの惑星に、水あるかもしれんちゅう話が出てきてな、地表の温度も生命に向いとるんちゃうか言われとる。そらもう「宇宙人探し熱」ムクムクやろな。
せやけど実際行くとなったら、アホほど遠いわけや。電波送っても届くんに39年、返事帰ってくんのにまた39年。往復でほぼ一世紀やて、そんなラブレター交換してるうちに地球のほうが先に熱中症で倒れてまうんちゃうか。地球温暖化でヒーヒー言うてるのに、悠長に78年待っとる場合かいな。
ほんで、ここからがわての天邪鬼なひねくれ意見やけど――
地球に生命が生まれたんは、実は「奇跡の連続」やったんちゃうか。せやから宇宙ぜーんぶ探しても、知的生命体は結局わてら人類だけ、ちゅうオチも十分あり得るで。
なんせ宇宙は「天文学的(いや、文字通りやけどな)」に広い。太陽みたいな恒星もぎょうさんあって、その周りを回る地球型惑星も「無限ちゃうか」くらい数ある。そやけどな、その無限の中に文明先取りしてる星があったら、とっくにこっち来ててもええやろ?痕跡ゼロて、どないやねん。
ここで決まって聞こえてきそうなんは、
「ロズウェルはどう説明すんねん?」
「ピラミッドは宇宙人のDIYや!」

――てな声や。せやけど、科学的証拠はゼロ。夢はあっても裏付けはナッシングや。
まぁUFOやら古代文明ロマンは置いといたとしても、いまだに人類が宇宙人に出会えてへん、いうのは現実的に考えたら――
「宇宙人なんかおらんのや。わてら地球人がオンリーワン!」
と割り切るんも自然な結論やろな。
…まぁ、それも味気ない話やけどな。
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2025年09月09日

衛星放送の弱点

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重陽の節句
この時期、シンガポールでは「月餅」が、店先に並べられ結構な繁盛ぶりである。
ついでにもう一件。昨夜皆既月食。シンガポールでも皆既月食が見られたそうだ。

昨日、西東京市に住む友人のユウさんが、SNSでこんなふうに知らせてきた。
「台風が行ってしまって暑さが戻ってきた。ほんで今は雷雨や。BSもCSも映らへん!」
やはり衛星放送の弱点はここにあるのだろう。近年よく耳にする「経験したことのない大雨」や、線状降水帯の発生時にも、同じような通信障害が起こるに違いない。
私のシンガポールの自宅でも、日本のテレビ放送を(おそらく台湾経由で)楽しんでいるが、やはり時折、番組が途切れることがある。
思い返せば、名古屋大学に赴任した当時、「EMCを研究対象に」と言われ、EMP爆弾の研究にも少し関わったことがある。EMP爆弾は電離圏で核爆発を起こして、通信障害を意図的に起こそうとするとんでもない爆弾で、あの頃結構研究テーマとしてホットだった。しかし私は最終的には大気電気学にのめり込み、EMP爆弾とは四十年前に縁が切れてしまった。
もしそのままEMPを続けていたなら、昨日の西東京の通信障害対策も研究テーマのひとつとなり、今ごろ慌てていたかもしれない――そんなことを、特に脈絡もなく思い出している。
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2025年09月03日

上方弁で書いたロストワールド

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日曜の昼、NHK BSで恐竜学者のドキュメンタリー見とったんや。
ウズベキスタンやモンゴルのゴビ砂漠で、恐竜の化石を探し歩いてはった。
わても広い意味では「現場活動の同業者」やさかい、つい見入ってしもたわ。
番組によると、恐竜の時代いうたら三畳紀・ジュラ紀・白亜紀と続くけど、その中でジュラ紀は意外によう分かってへんらしい。ほんで「ロストワールド」と呼ばれてるんやて。恐竜の進化をたどることが、化石探しの大きな目的やっちゅう話やった。
場所は乾いた砂漠。雨なんかほとんど降らんから、地表に出た化石が長いこと転がったまま残っとるっちゅうわけやな。
それ見てて、ふっと思い出したんは1988年に中国へ行った時のことや。共同研究の終わりごろ、今はもう鬼籍に入らはった郭教授が、
「河崎さん、中国の思い出に敦煌をご案内しましょう。この時期、京大の地震学の先生方が蘭州に来られてますので、ご一緒に。」
て声かけてくれはったんや。
敦煌だけやのうて、そのさらに西の「陽関」にも連れてってもろた。車で砂漠を小一時間ばかし走ったやろか。道中、砂の中に穴がいくつも開いとってな。
「あれは漢の時代に戦士が掘った穴です。雨がほとんど降らんので二千年たってもそのままなんですよ。」
て教えてもろた。その時は「そんなん冗談やろ」と思てたけど、おとといのテレビ見て考え直したわ。
「恐竜の時代からは二億年近く。二千年なんか、そら一瞬みたいなもんやな!」
ついでに言うとくと、その「陽関」いうんは、高校の漢詩で習た有名な一句、
「西の方陽関をいずれば故人なからん」
に出てくる、あの漢王朝の西の果てやねん。
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2025年09月02日

ロストワールド

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日曜日の昼、NHK BSで恐竜学者のドキュメンタリー番組を見た。
舞台はウズベキスタンやモンゴル・ゴビ砂漠。恐竜の化石採集に挑む北海道大学の研究者たちの姿が映し出されていた。
同じ「フィールド活動」を仕事にしてきた者として、思わず引き込まれる。番組によれば、恐竜の時代は三畳紀・ジュラ紀・白亜紀と続くが、この中でジュラ紀については意外に知られておらず、「ロストワールド」と呼ばれているという。その解明こそが化石採集の大きな目的なのだそうだ。
活動の場は乾いた砂漠。雨がほとんど降らないため、露出した化石が長い時間そのまま残されているらしい。
その映像を見て、ふと1988年に中国へ出かけた時のことを思い出した。共同研究の終盤、今はすでに鬼籍に入られた郭教授が、
「河崎さん、中国に来られた記念に敦煌をご案内しましょう。この時期、京都大学の地震学の先生方も蘭州を訪問されていますので、ご一緒されては。」
と声をかけてくださったのだ。
そして敦煌だけでなく、さらに西にある「陽関」にも足を延ばした。車で砂漠を小一時間ほど走っただろうか。道中、砂の中にいくつも穴が口を開けているのを目にした。
「あれは漢の時代の戦士が掘った穴です。雨がほとんど降らないので、二千年経ってもそのまま残っているんですよ。」
と教授が教えてくださった。その時は半ば冗談だろうと思ったが、先日の番組を見て改めて思う。
「恐竜の時代からは二億年近く。二千年など、その尺度からすればほんの一瞬にすぎないのだ。」
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2025年08月29日

素数ゼミ 再び

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「素数ゼミ」については、このブログでもこれまでに何度か取り上げてきた。
アメリカには13年周期と17年周期で大発生するセミの仲間がいる。どちらの年数も素数であるため、両者が同時に大量発生するのは221年に一度だけ。周期の重なりが極端に少ないおかげで、互いに交配することなく「種の純血」が守られてきたのだろう、と私は考えている。
ところが近年、京都大学の研究グループがこの「素数ゼミ」に注目し、17年ゼミの幼虫を掘り出して詳しく観察した結果、興味深い事実が浮かび上がってきた。彼らによれば、4の倍数に当たる年(17年ゼミなら16年目、13年ゼミなら12年目)に幼虫の体に変化が起きるという。そしてその変化こそが羽化のきっかけになっているのではないかと推論している。
具体的には、通常は白いままの幼虫の目が16年目(13年ゼミでは12年目)になると赤みを帯びることが確認されている。これは視覚器官の成熟と関わっているとみられる。また、体重もこの時期に一定の閾値を超えることが分かってきた。これらの要素が重なり合い、17年という長大なサイクルを経て地上に姿を現すらしいのだという。
とはいえ、「なぜ素数なのか」という核心は、依然として謎のままらしいのだが・・・。
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2025年07月23日

拍手の音は

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昨日のインターネット版朝刊で、思わず目を引く記事を見つけた。
拍手の音の仕組みについて、日米の科学者による実験で新たな理解が得られ、それが科学論文として発表されたというのである。
新聞記事ゆえ、原著論文の内容がどこまで忠実に反映されているのかは定かでない。
けれど正直なところ、
「いまこの時代に、こんな論文が出るのか?」
と、少々訝しく思ったのも事実だ。
記事の要点は、「音の主因は手のひらがぶつかる衝撃音ではなく、手のひらでできる空間の共鳴によるものだ」という結論だった。
私自身、手のひらの作る空洞が、いわば共鳴“箱”となって大きな音を出すと、ずいぶん前から理解していた。
グーグルで「拍手 共鳴」と検索してみても、たしかに「ヘルムホルツ共鳴」と説明されており、私の理解と大差ない。
こんなふうに思うのも、実は昔のある体験があるからだ。
中学生か高校生の頃、私は「指をパチンと鳴らす」音の工夫に凝っていたことがあった。
あれこれ試しているとき、親友のユウサンが、
「中指をはじいて、薬指の爪の隙間を狙うと、大きな音が出るよ」
と教えてくれたのだ。
実際に試してみると、なるほど利き手でない左手でも大きな音が出る。
「この隙間で共鳴してるんやで!」
と、二人で納得して喜んだのを今でも覚えている。
あれからおよそ60年が経った。
今さら論文として世に出たのが、あのときの我々の「発見」と本質的に変わらないとすれば、
皮肉というより、ある種の感慨すら覚える。
…とはいえ、どんな実験をして、どんな数式で解析したのか。
正直、本音では原著論文をじっくり読んでみたいものである。
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