2018年05月05日

端午の節句に

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端午の節句、子供の日。
昨日日本人会を訪れたら、入り口付近に五月人形ならぬ「鎧・兜」が飾ってあった。それに吹き抜けになっている二階の通路からは、真鯉、緋鯉、子鯉のこいのぼりが垂れ下がられていた。
「成程五月!」
と、少しだけ暖かな気持ちになった。
ところがある教室で
「みなさんこいのぼりがありましたねぇ。その前に飾ってあった子供の日に関係するものはなんでしょう?」
と子供達に尋ねたら、誰も答えられなかったという話を聞いて
「この国で育つと、固有の文化も希薄になるか!?」
と冷めた気分にもなった。いやはや上がったり下がったり・・・。
そんな昨日、村上春樹ファンには、悲しいニュースが入った。
「今年のノーベル文学賞は、選考しない!」
というのである。
「ノーベル文学賞選考委員が全員辞任か?」
と、数カ月前に報じられたセクハラ疑惑の結果である。選考しないという事は、村上さんの今年の受賞は無いという事だから、村上ファンにとってはノーベル賞シーズンが終わったようなものだ。
さらにシーズンが終わったと言えば、米大リーグマリナーズのイチロー選手、引退ではないけれど今年の選手登録はないそうだから、これまたファンにとっては寂しさも一入(ひとしお)といったところかもしれない。選手登録はしないけれど、チームに帯同して練習もしてゆくそうながら、選手としてよりは指導者として期待されているのだろう。それに気が早い様ながら、来年マリナーズは開幕試合を日本で開催する予定だそうで、その試合でもう一度雄姿を見せてという、球団の配慮なのだろうとは、野球狂の勝手な思い込みである。
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2018年05月03日

熱帯の夏

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日本は黄金週間ながら、この地シンガポールではそうではない。
確かに、5月1日レイバーデーという国民の祝日はあるものの、他は平常勤務。週が始まってすぐの火曜日に一日の休みがあったおかげで、却って疲れる。それに最近何度も書いている様に、この地の真夏が始まっているから、この爺のような老人にはきつい。
昨日の昼、仲間と近くのホーカーセンターに出かけたおりの日射しのきつさ、半端じゃない。いつものように自動車に乗っけて貰って出かけたら、降りた途端の日射しに仲間が
「これは暑い!」
と音を上げていた。そして午後3時、4時頃には何やら薄暗くなり、あちこちから雷鳴が聞こえていた。
このような気象状況を経験するにつけ、唐突ながら太平洋戦争開戦時この地に進軍して来た兵隊さん達の苦労をついつい思う。かくいう私の伯父もお隣のビルマにやって来て、名誉の戦士をしたのだが、おそらく大変な苦労をしたに違いない。食料のこと、マラリアのこと。とりわけビルマはインパール作戦と称して食料補給の手段が整わぬ形の進軍で、はなから囮作戦だったと聞く。つまり戦死することを前提に徴兵されたわけで、ゼロ戦に乗っていないだけで、「神風特攻」に同じだったのである。大本営は作戦を立て、勝ち戦と宣伝するだけで幹部には身の危険はなく、ほんまにいい加減なものだと腹立たしくなるばかりなのである。そして敗戦が決まると、幹部の身を守るため、証拠の公文書を焼却したと聞く。兵隊さんに苦労を強いて、えらいさんたちはのうのうとと来れば、何やら今の国会のゴタゴタを彷彿とするのは、この爺だけではあるまい。
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2018年04月27日

万歩計不正

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エレベーターに乗ったら、耳にイヤフォン、片手にスマートフォンの女性が走り込んできた。今時の若者は、シンガポールでも日本でもまぁ似たような格好ですなぁ。
さてその女性に、盛んにスマートフォンを右に左にという風に弄んでいる。弄んでいるわけではないのだろうが、どうしてもそう見える。
となると天邪鬼爺の意地悪の虫が蠢き、つい声をかけることになる。
「失礼ですが、もしかして歩数計を稼ぎたくて、右左としてるの?」
女性は良く聞こえなかったのだろう、イヤフォンを外して何の用だと尋ねて来る。意地悪爺は質問を繰り返す。
「それって、歩数計の歩数稼ぎでしょ?」
その女性悪びれもせず
「そうですよ、それが何か?」
と返してきて、意地悪爺は
「質問にほかの意味はありませんよ。歩いた歩数より、手首の左右に振ったが出るんちゃう思うて。」
と答えた。
ようやくその女性、爺の質問の真意が分かったようで、手首の左右反復を止めたものの、何事もなかったかのような顔つきに戻って、イヤフォンを耳に挿し込んだ。
インチキ歩数稼ぎにはそれなりの意味もあるのだろうから、
「大きなお世話!」
とでも言いたかったのかもしれない。
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2018年04月23日

仔犬を求めて

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昨日の朝、午前9時頃。風は微動だになく、カンカン照りのパシリス村。
風邪(喉)を患い、先週一週間の早起きは無かった。とはいえ日の出直前なら普通心地よい風が吹いていた筈のに、陽が昇ってしまう頃には、ここは紛れもない熱帯となっている。一週間に一度の日曜日だというのに・・・。
話は変わるが4月10日を過ぎる頃から、
「午前中は太陽ぎらぎらの夏、そして午後には激しい夕立。」
という風に天候も変化してきており、昨日も天気のパターン通り午後3時頃には、篠突く雨となった。
実はそんな雨を予感しながら、私達はご近所の小学生Yさんと散歩に出かけた。もともとは
「このころ午後になると雨の降ることが多いので、犬の見学は午前中にしようよ。」
と約束していた。ところが約束の時刻になった頃
「中国語の先生が急遽教えに来てくれることになった。見学は午後にして欲しい。」
のラインメッセージが入り、見学を兼ねての散歩が午後になった次第なのである。
散歩の目的は、村の端(はずれ)にある犬の繁殖場の見学。見学というよりは、
「可愛い仔犬はいないかなぁ?」
と物色もかねての見学だったのである。
はたして繁殖上に着く頃には土砂降りで、30分以上も雨宿りを余儀なくされた。
それでも4時を過ぎる頃には、ほとんど雨も上がり、初期の目的は十分多することができたうえ、多分公設なのだろう「捨て犬達を対象にした、犬の養子縁組制度」が確立されていて、来週末には月に一度の里親希望者とのお見合いの有ることも教えてもらった。
ついでにいうと、その公設施設には日本人女性が働いていて、大いに驚かされた次第である。
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2018年04月18日

朝、歩きながら

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昨朝出勤時の事。
マンションのゲートを出ようとしたら、二三歩後ろから若い女性が駆けてきた。私は扉を抑え、彼女の追いつくのを待って外に出た。その女性、互いに見知らぬながらごく自然に
「Thank you very much and good morning.」
と声をかけてきて、私もそれにおはようの言葉を返して道路に出た。
偶然というと大仰ながら、私達はともにPasir Ris駅に向かったのだが、いつの間にか女性が数歩先を歩くことになっていた。まぁ私も歳なみに爺さんだから、歩くのはいささか遅くなっている。余談ながら、職場で昼食時にホーカーセンターまで歩くときなど、若い同僚が遅れ気味となる私を気遣ってくれている。
さて本題は、昨朝の事である。
私達は駅に向かって、向かいのマンションの西側を歩く。午前8時過ぎとはいえシンガポールの日射しは十分にきついので、日陰を歩く勘定になる。何度か書いていると思うが、日陰に入ると思いの外爽やか感がある。時折吹いてくる朝の風が、爽やか感を増す。
「まぁこの程度なら、朝の通勤も結構いいなぁ!」
なんぞと独り言ちながら女性に遅れて歩いていると、何やら妙な具合。つまり両手が全然見えないのである。やがて女性は交差点に差し掛かり、私が追い着くことになる。そしてふと見ると、件(くだん)の彼女なんと左手に包みをもってサンドイッチを頬張っているではないか。私は思わず
「Is this your breakfast?」
問いかけると、若い女性らしく耳のイヤホンを外しながら
「Yes, it is. Do you like sandwich?」
と返ってきた。私は丁重にお断りをしたけれど、歩きながらの朝食にはいささか驚いたというか、興ざめたというか・・・。
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2018年04月14日

週末やぁ!

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週末、今日は骨休めの日やなぁ・。
なんちゅうてもシンガポールは熱帯、ほんまに疲れる。普通に息しても疲れる。それに今は太陽が真上やよって、ほんまに暑い。ひなたを歩けば、目がクラクラっとなりそうや。そんな土曜日やちゅうのに、ご近所のYさんは日本人学校の補習校があるんやって。今までに書いたかどうか忘れたけど、日頃は地元の小学校に行ってはんね。ほんでシンガポールの子供と一緒に、英語や中国語を中心の生活や授業や。せやよって、週末土曜日は日本人学校で国語の授業受けてるねん。毎週一日三時間の集中授業やで。小学生が集中授業、それこそ三時間も集中力続くんかと、ちょっぴり気になるけど、そこは教えはる先生が工夫しやるんやろなぁ。
一昨日、昨日と朝早う薄暗いうちにバス停まで付いて行って、見送るときなんや不憫になるんや。こんな小さい子が弱音もはかんと、シンガポール人に交じって頑張ってるんやなあ、ちゅうて考えるとな。こんあ爺さんが不憫を感じるんはおこがましいんかも知れへんけど。地元の学校に通うてるだけでも大変やのに、週末は日本人学校補習校と来たら、もっと不憫やなぁ。これも年寄りがそう思うんも、おこがましいんかなぁ。
このYさん、物心つく前にシンガポールに移り住んで来てやんやけど、大分前に
「私は両親に、シンガポールに連れてこられた!」
ちゅうて、被害者意識みたいなんを漏らしやったことあったけど、本音のところではどう考えてやんやろう。そいでも人生受け入れてはるんは間違いない。せやから不憫やなんてわいは思わんと、淡々と仲ようしていくことにするは。それにさすがに補習校までは付いて行けへんしなぁ。
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2018年04月03日

シンガポールの街角で

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昼過ぎ、職場の近くで不意に声をかけられた。一見してインド系の旅行者に思えた。その旅行者風の彼、インド訛りの英語で何やら訪ねてきた。
「申し訳ないけど、君が何を尋ねているのかわからないよ。」
と返すと、
「この辺りで、食べてもいいのか?」
と、またまた意味不明の質問。
「向こうの通りにホーカーセンターがあるから、そこで食事ができるよ。」
と答えたら、
「バックパックに、弁当を持っているんだ。この付近で食べてもいいのか。例えばあの木下の日陰は?」
という。その後いろいろ尋ねてみたところ、シンガポールに来たところで、電車の中での飲食禁止の注意書きを見て、罰金を取られたらと不安になったというではないか。成程妙な質問の原因は理解できたけれど、
「それにしては、えらく真面目なインド人なんだ!」
と妙な感心をさせられた。
そして彼は、器用に指先でお弁当を食べていた。
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2018年04月02日

旅立ち

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ご近所の日本人家庭、二人のお嬢さんがいらっしゃる。
上のお嬢さんのEさん、この四月から日本の中学校に進学されるという事で、昨夜の便で帰国された。母上が入学式ほかの諸手続きの関係上同行され、そんなわけで下のお嬢さんのYさんを、お預かりすることになった。それはさておき、昨晩出発の時マンションの出口までお送りしたのだが、EさんYさんの御両名、口には出さないけれど絵も言えぬ惜別感、名残惜しさみたいのが漂っていた。次にEさんのシンガポールに戻るのが8月の夏休みの頃だから、4ヵ月は会えないのだもの。
そして今朝、Yさんは何事もなかったように小学校に登校された。朝6時20分に家を出て最寄りのバス停まで見送りがてら同行。
「学校につくのは何時頃?」
の問いには
「6時45分。校門は6時30分に開くの。」
との事。始業は8時15分で随分と時間があるように思えるが
「宿題の答え合わせや点検を友達と・・・。」
と仰る。地元校に通っていらっしゃって、学校では英語と中国語が必須となっている。そんな苦労を全く感じさせずに、毎日を過ごしていらっしゃるのには、敬服である。
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2018年03月30日

W君の来星

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今日はGood Friday シンガポールでは祝日である。
明後日・日曜日のキリスト復活の日に先立つ受難日、シンガポールではNational Holidayなのである。多文化国家のシンガポールだから、キリスト教信者のための祝日も、国を挙げての祝日となっている。そして金・土・日の三連休、ちょっとした「春休み」になっている。

さて今日の話題は、来星された友人W君の話である。
この爺が、アレキサンドリアに赴任していた2010年〜2012年、現地で一緒になった若い研究者である。赴任の開始は確か一緒で、W君は即座に住処を決めたので、最初の一週間ほどは居候させてもらった。そしてあの時はちょっとした合宿気分で、二人であれこれ夕食のための料理を楽しんだ。その一週間の間に私は二年間の住処を決め写っていくことになったのだが、その後も親交は続いた。何か馬が合ったといったところであったろうか。
爺は継続しての2年間の赴任であったが、W君の場合前期学期の講義担当であった筈で、半年間の滞在が二回であったと記憶している。それゆえ二度目の滞在の時は私の住処の近くにW君の住処を探すのに骨を折らせて頂いたし、何度も我が家に来られて夕食をご一緒した。
そのW君、文頭にも述べた様に来星されたというので、旧交を温めさせていただいたのが昨晩の事、夕食中に伺えば、5日間の学会に出ずっぱりで街中の散策は全くしていないうえ、翌朝には午前6時の便で帰国されるというではないか。
「そんなことなら、おのぼりさんの定番マーライオン公園に案内しよう!」
と中華街から足を延ばした次第である。たださすがにあの辺りは湿気も高く蒸し暑かったが、まぁこれもシンガポールの良い思い出の一つにはなったと期待している。
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2018年03月22日

通勤バス車中

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昨日の事、通勤の帰路バスの中の事である。
比較的空いた時間帯で、定員の半分程度しか乗客はいなかった。あるバス停で、小学生の男の子と多分そのお母さんだろうが、乗り込んできた。それでも乗客数は少なく、小学生の子供にすれば退屈極まりないという感じであったろうか。やがてその子供は、ABCの歌を口ずさみ始めた。ワンコーラス、ツーコーラスと重ねるうちに、子供の声が随分大きくなっていった。大きさも尋常ではなく、最後には怒鳴り散らすという感じ、一緒に乗ってきたお母さんらしき人は、ひたすらスマホの画面に注目しており、子供を諫める風もない。いや諫めないどころか、怒鳴り声も気にならない風であった。私自身はといえば
「これはやりすぎやろう。ちょっと注意せなあかんちゃうかな?」
なんぞと考えていた。
そんな時、バス停で泊まったらバスの運転手さんが振り返って、少し大きな声で歌うのを止めるよう注意した。当然とでも言おうか、子供はやめる風もなく、母親に至ってはこの期に及んでも注意しない。さすがに運転手も業を煮やしつくしたのだろう、やおら立ち上がり、客席の中を怒鳴り散らすように歌い続けている子供の席まで歩いて行って、
「やめろと言ってるのが判らないのか!」
と強く叱責した。それで子供はようやく静かになったけれど、スマホに夢中だった母親きょとんとして
「どうかしましたか?」
と全く悪びれた様子もなかったのには、驚かされた次第である。
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