2023年04月08日

シンガポールの風 7

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
家人が帰星の飛行機で仲良くなった老夫婦を、昨日シンガポール観光を手伝った。
昼過ぎ、USJの入り口で落ち合い,まずビボシティーに移動して最上階のホーカーで昼食、その後マーライオンを見たいとおっしゃるので「マーライオン広場」に移動した。大きなマーライオンと、古くからあった小さなマーライオンをご覧になって、
「この小さい方が、気品があって好きだ!」
とおっしゃる。世界三大がっかりの一つ(?)と酷評されている方を、好きだとおっしゃる。蓼食う虫もという事だろう。
その後プラナカン博物館にお連れし、見学頂いた。私自身見学するのは六・七年ぶりといったところで、リニュアルされたと風の便りで聞いてはいたものの、変わりようには大いに驚いた。
こんなお世話をさせて頂いたのには理由がある。
まず老夫婦の落としが、私天邪鬼爺より年上であること。
一緒に来ていらっしゃるというお孫さんは、高校生と中学生徒の事、行動範囲が違いすぎること。
午前中にUSJに行くと聞かされ、
「中高生には楽しいだろうが、お二人にはいささかきつかろうから、別行動を!」
と考え、そのように申し上げたら
「とりあえずUSJに入って、その後お願いしたい。」
との返事。だから文頭のUSJでの出会いとなった次第。
実際お会いした時は、お疲れの様子で、昼ご飯の時は食欲もない様子だった。そしてプラナカン博物館を出るころにはいささか元気も回復され、夕食はそれなりに楽しんでいらっしゃった様子。天邪鬼爺の提案は良かったと、一人悦に入った次第。
ついでに言うと、今日ははなっから若者達とは別行動をとられる由で、楽しい思い出つくりのお役に立てばと、独りあれこれ思案している。
(この稿続く)

lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年04月04日

シンガポールの風 6

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
英語あるいは米語、色々な言語の中で一番語彙が多いと聞いている。
その理由は、どの国の言葉からでも、どんどん取り込んで自分達の単語としてしまうかららしい。
「スキヤキ、スシ、テンプラ」等は当然として、もはや20年程になろうか、有り難くない話ながら「カロウシ(過労死)」あたりまで、英語の単語になっているという。こんな風だから英語という言語は、一事象一単語(熟語)という中国語文化の反対の極に位置していることになろう。そんな英語を、中国人コミュニティであるシンガポールが公用語とし、独立以来義務教育化て来た。
その結果「Singlish 」という、似て非なる言語が出来上がったと私は理解している。
と言っても日常会話なら、何ら問題は起こらない。
話は変わるが、学生時代
「英語の論文を書くんやったら、同じ表現は繰り返せへん方がええでぇ!」
と、先輩方から教えられたことを覚えている。つまるところ
「英作文ではなく英借文」
を旨とせよというわけである。そしてそうやって作った英語の論文は、著者が英米人の論文いより近いと信じていた。そんな風に配慮しているつもりでも、私達の英語の論文は分り易いのが普通なのである。これは決して内容によるものではなく、英語の文としていうなら単純なのである。
以前このブログに、シンガポール滞在のイギリス人から、「忖度」の意味を尋ねられ、お押ししたことがあると書いた。そろそろ「ソンタク」も英語の単語になっているかもしれない。
(この稿続く)

lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 12:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年04月03日

シンガポールの風 5

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
一事象一単語(熟語)という中国語の原則を、シンガポール人が全員信奉しているというわけでもないだろうが、大なり小なりそういう傾向があるのかも知れない。
例えば、
「つまるところ、あるいは結局」
と言いたいとき、私のシンガポール人の友人達は
「End of the day’」
という修辞語を判で押したように使う。
As the results とかFinally とかいった言い回しはまず聞かない。
Compulsoryはよく使うが Mandatoryを私が使うと不思議そうな顔をする。
多分ちょっとした感覚の違いなんだろうが、通じているようには、とても思えない。
「I will come here around 10am!」
も残念ながら、理解してもらえていないような気がする。
ただそれでも彼等シンガポール人は、判っているような顔をする。
いやはや困った。属性である。
それで持って彼らは、自分達の英語会話能力に関し、必要以上に自信を持っているので始末が悪い。
お世話になっている会社のCEOが、私がこの地にやって来て間もなくの頃、社員を集めて
「私達の英語は、イギリス人やアメリカ人には5割程度しか理解されていない。」
と訓示していたことを思い出す。
重要な会議があって
「会議の結論が出ていない気がするので、是非まとめを述べて欲しい!」
と直接の上司に訴えると
「結論は出ている。私には時間が無いので、会議のビデオを自分で見てみろ!」
と怒り出す。ただ見直してみても、双方の言い分が平行線状態だとしか思えないが、それで十分意味があるらしい。
いやはや大変である。

lanking.gif
クリックして投票を!



posted by zen at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年04月02日

シンガポールの風 4

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
シンガポールに移り住んでおおよそ10年、日常の会話にはまず困ることはないけれど、会社の同僚との仕事上の詳細な打ち合わせや議論では、大きな齟齬を意識することが多い。当初というべきだろうかやってきて数年間は、私自身の英語語彙の至らなさと反省し、意識的に語彙を増やす努力とともに、私自身納得のいくまで彼らと話し合うよう努力したつもりである。
さらに一方で彼ら中華系のシンガポール人のある同僚から
「英語での議論は、どうもあいまいで困る。」
と指摘され、当初は自身の能力不足を反省ばかりしていた。その後その同僚から
「河崎違うんだよ。中国語というのは、一つのことを表すのは概ね一つの漢字(熟語)だけれど、英語はいろいろな言い方が可能で、本当に我々にも厄介なんだ。だから我々シンガポール人は、一単語一事象を心掛けている。英語のあいまいさ、私はきらいだ!だから河崎の苦労は分かるよ。」
と教えられ、
「私自身だけの責任では無いんだ。」
と考えるようになった。例えば
「See you tomorrow」
というべきところを、
「I hope see you tomorrow」
と言おうものなら、
「明日会えない理由が何かあるのか?」
と聞き返されることが多く、冗談なんだろうと理解していたのだが、どうもそうでなかったらしいという事が分かったりした。
シンガポール人の英語を、われわれ日本人も彼ら自身も
「English ではなくSinglish 」
というけれど、これは決して彼らの訛りだけを指しているのではなく、単語の意味のあいまいさを極力減らしていることを指しているらしいのである。
実際やって来た当初
「Precipitation」
という言葉を使ったら、そんな単語は知らなかったといわれたことがあって、その時は深く考えなかったけれど、空から落ちてくるのはRAINというのが彼らにとって正しい言い回しなのだろう。
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年04月01日

シンガポールの風 3

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
エイプリルフール 四月馬鹿
さぁ、新年度の始まり。ただ今日は土曜日だから、4月3日(月)が実質的なはじまりか?


昨日金曜日は、朝から会社に出向いた。
ただ出向くためには、二匹のワンコのアリスとシロに数時間の留守番を強いねばならない。となると、朝食前の散歩をさせてやる必要がある。
というわけで、起き抜けの散歩となった。
本来母親のアリスは朝の散歩はあまり好まなかったけれど、最近になってやけに行きたがるようになった。ともかくハーネスとリースを持ちあげて見せると、喜んでリビングを走り回るのである。
あれだけ嫌がった朝の散歩なのに、何がアリスをして変わらしめたのか?
家人が現在一時帰国中で、シロと私が出かけると一人きりになってしまうからだろうか?
このこと以外に、この変わりようの説明がつかない。
本来臆病者のアリスは、散歩に出ても尻尾を巻き込んで歩いていることも多い。見るからに恐る恐るという歩き方である。さすがになれた道を歩くときには、尻尾を跳ね上げているので分り易い程だもの。

日本ではプロ野球2023年のペナントレース開幕。
一昨日には、楽天が田中投手の好投もあって快勝。全部勝つつもりの日本ハムが、初戦で敗れてしまった。まぁ全部勝つつもりなんてのは掛け声だけだろうから、この一敗が大きな重荷にはなるまいが。それにしても今年の開幕は変則で、新球場のこけら落としの意味もあってだろう、第一日目は日本ハム対楽天戦のみ。そして昨日、セントラルリーグ三試合と、パシフィックリーグ二試合が行われ、実質的に長丁場が始まった。WBCのあの迫力の後だけに、若干興ざめのきらいもあるが・・、それでも野球狂には嬉しい球春である。

lanking.gif
クリックして投票を!



posted by zen at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年03月26日

シンガポールの風 1

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
実は、もうすでにシンガポールに戻っている。
日本滞在中に、シンガポール在住の友人から
「雨季は終ったようで、快晴の日が続いています。」
と、連絡を頂いていた。
ところが戻ってみれば、二日目あたりからどうも雨が多い。
さすがに二月の頃のような、終日雨というのはないけれど、ワンコ達を散歩に連れ出そうとすると、いつの間にやら振り出していて、ワンコ達をがっかりさせることになる。
日本在住のY君からは
「雨が降り出す前に、行ったらええやん。」
と、コメントも届くが、熱帯のこの地で炎天下の散歩は、正直頂けない。
まぁワンコ達もそんな時刻にはとても行く気にはならないだろう。
そして今は午後二時半、雨は降らず日差しはきつい。
せめて夕方まで雨が落ちてこないように。

さて今日は大相撲春場所千秋楽。
横綱は休場、大関は途中から休場で、寂しい大阪場所ながら、大栄翔が頑張っている。もし優勝なら二度目の優勝なのに、今は小結、来場所は多分関脇になるのだろうが、大関にはまだ届かない。元大関の朝乃山は十両筆頭で好成績だけに、来場所は幕内に入る。ぜひ活躍してほしい!
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年03月11日

KL紀行 3

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
東日本大震災から12年

マレーシア滞在の最終日の昨日は、午前中に日本語訳すると「環境技術開発」とでもなるだろうか、ベンチャー企業を訪ねた。230310 Environment Tech.jpg
五年間のプロジェクトが成功の際には、いや五年以内でも目途が立っていい成果が出るようなら、その会社に観測データーのハンドリングや販売を願えればという目論見があっての訪問である。すでにこのプロジェクトのマレーシア側代表のRiduan さんが一度訪ね、地ならしを始めてくれており、それなりに和気あいあいの話し合いとなった。それに少し驚いたことに、すでにかつての同僚が訪問して装置の紹介をしてあったと。四年前にはリモートかメールベースでの議論もしてあったようで、この爺の名前をしっかり認識してくれていたのには驚いた。
守秘義務にあたるかどうか、詳細は教えてはくれなかったが、スマートアグリカルチャーなる製品(実際はソフトウエア)を開発中で、元気そうな若者四人が端末機にへばりついていた。ちなみに男女比率でいうと1:3であり、我が国で話題となっている女性の社会進出の点では、日本はもはや後進国かと痛感させられる思いであった。
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年03月10日

KL紀行 2

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
クアラルンプール三日目を迎えている。
一応予定通り、今日の深夜にはシンガポールには戻れそうで、とりあえずホット一安堵。早い話昨日までの「予備調査」は、MT君やマレーシアの学生さん達の頑張りもあって、順調以上完璧未満といったところだろう。
さらには昨日の予備調査に訪れた三か所は、背景雑音も一瞥して、
「予期した以上に、低いやん。」
といった具合で、KLIA(クアラルンプール国際空港)を飛び立った旅客機が、上空を飛ぶ時に出す「信号」が受かるほどなのである。
だからVHF波帯干渉計観測もきっと順調にできるはずだし、MF帯の放電路可視化も多分大丈夫だろうと、例によって楽天的に構えている。予備調査の成果はさておき、
「それにしても暑かった。」
シンガポールと同じように先週は雨が続いたというが、MT君がマレーシア入りしたとたんの快晴続き。さすがに昨日の午後はパラっと一雨来そうになったが、それでも作業完了まで持ちこたえ、荷物を積み込んだ車が走り出した途端の雷鳴と、大雨であった。
MT君が観測に行くと、雷雨が消えるというジンクスがあって、ダーウィンや北陸では大いに困ったのを思い出し、
「機械が順調に稼働するようになったら、もう来たらあかんでぇ!」
と、減らず口を投げかけてしまった。ただマレーシアのマラッカ、クアラルンプール界隈の雷雨日数、年間200日だから、本当のところ心配は不要であろうと、信じたい。
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2023年03月09日

KL紀行 1

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
マレーシア・クアラルンプール(KL)に来ている。
いや正確には、KLの南に位置するプトラジャヤに来ているというのが正確。
弟子の恩で実現の運びとなったSATREPSの準備もあって、そのリーダーである弟子MT君のお供といったところである。この御供、本来なら日曜日から来る予定だったが、引っ越しのごたごたもあって、MT君に遅れること三日のマレーシア入りである。
シンガポールからクアラルンプールまで、僅か一時間の飛行時間。
ながら、・・・である。
以前にも書いたことがあるように、私は若い頃から、搭乗して座席に付くと眠ってしまう傾向にあった。それは国際便であれ、国内便であれである。
例えば大阪から東京までに利用でも、離陸の時を知らないことが多く、さらには着陸態勢に入ってようやく目が覚めるという有様なのであった。そして今日も同様で、隣の席にパキスタン人の御夫婦が座ったのまでは覚えているが、その後すぐ眠ってしまった。
そして目が覚めれば、搭乗機はもはや着陸態勢に入っていた。この習慣というか癖は、歳をとっても変わらないようである。
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活

2022年12月18日

雷放電の観測 16

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
VHF波帯干渉計の国際デビューは、ダーウィンの沖北80qのアラフラ海に浮かぶメルビル島だった。日米の共同観測という企画で、アメリカ側はNSFに、日本側は文部科学省にそれぞれ申請してのプロジェクトであった。かつて話したこともあると記憶しているが、アメリカMITのウィリアムさんと、NOA NSSLのマズールさんから、
「熱帯収束帯の降水メカニズム解明のため、気象学者が大がかりな観測を行う。私達は、雷放電の観点から寄与すべく、申請する。河崎さんも日本の雷放電物理の研究者の立場で申請したらどうだ。」
と、誘われ申請し採択された。しかしウィリアムさんやマズールさんは採択されず、現地では初対面の気象関連研究者のお世話になることになった。当時まだハワイ大学で教鞭をとっていらっしゃったはずの高橋教授がアメリカ側の一員だったので、少しは心強く感じたけれど、結果的には観測期間中に議論できたのは三四回だけだった。
メルビル島の観測には、岐阜大学の助手になっていた、WDさん、博士課程を中退して研究室の助手になっていたFTさん、博士学生のWMとOJさんが参加して、メルビル島にVHF波帯干渉計を設置した。メルビル島にはダーウィン空港からヘリコプターにぶら下げて、500s程度の観測装置を空輸した。雷雨で予定より一時間程遅れたけれど、ガーデンポイントのヘリポートで待っていたら、羽の回転する音が遠くから聞こえ、無事観測器を受け取った時には、ある種の感動を禁じえなかった。
アメリカの気象研究者たちが、観測場所をメルビル島に選んだのは、ヘクターと呼称される巨大積乱雲が発達し、それが対流圏界面を突き破るほどに成長することから、地球温暖化にも関係する熱エネルギーの、赤道帯から中緯度帯への輸送が科学的に興味深いという点であったと聞いていた。ただ一か月近くの観測期間では、この年ヘクターはそんなにも発生せず、干渉計の成果としては芳しいものではなかった。
そんなわけで翌年からは、観測場所をダーウィン郊外へと移し、アメリカのグループは来なくなってしまったけれど、私達はダーウィンでの観測を毎年のように根気よく続けることになるのであった。
(この稿続く)
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外生活