2023年01月27日

雷放電の観測 51

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昨日、電荷保存則を取り上げ、電磁気学の基本法則の一つと書いた。
電荷は素電荷−1.6×10−19クーロンの集合帯だから、細かい点に拘るなら、数学的な意味で必ずしも微分可能ではない。ただし私達が学んできた巨視的電磁界理論(対象とする電流、電圧等の諸量は原則微分可能という意味において)は、少なくとも日常生活に不都合は生じない。つまり巨視的電磁界理論に基づき、電荷保存を取り上げてあれこれ書いてきたのである、ところが、最近の観測結果では、雷放電に伴って負電子と陽電子(電子の反粒子)が一緒になって「対消滅」を起こしているらしいといった報告もあるに及んで、私・天邪鬼爺のよって立っている「双方向性リーダーの進展」も、研究が進み全く新たなる知見が得られる頃には、もしかしたら否定されるようになるかも知れない。つまりくどいようながら、私の述べてきたのは、巨視的電磁界理論を是とする限りにおいての、雷放電の観測を通じての解釈であることを、ご常連様方には納得しておいて頂きたいのである。
(この稿続く)
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2023年01月26日

雷放電の観測 50

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電荷保存則。電磁気学の基本的法則ひとつ。
これが絶対的な真実だから、雷雲の電荷分離が起こる。
ハワイ大学・高橋さんの実験によれば、霰と氷晶が接触し周囲に過冷却水滴があれば、霰が氷晶から負の電荷を奪い、その結果霰が負に、氷晶が正となる。霰は原則下降しており、上昇流にかろうじて支えられ形式的には適当な高度で浮遊している。
話が前後したけれど、この浮遊している高度が、気温にしてマイナス10度〜15度(摂氏)の時、電荷分離の効率が高いようであるとは、高橋さんの実験の示すところである。高橋さんは、ゾンデによる観測を実施し、御自身の室内実験や推論の正し事を、証明していらっしゃる。世にいう、着氷電荷分離機構である。天邪鬼爺の私は、霰と氷晶の接触の際の電位差(接触電位差)で理解できるのだろうと、勝手に考えているが、これはあくまでも私の夢想である。ただ温度、湿度含め要因がたくさんあるだろうが、接触電位差と考えれば、湿度の高い際の電荷極性の逆転現象(霰が正に帯電)も何となく説明できそうな気がしてならない・・・。
(この稿続く)
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2023年01月25日

雷放電の観測 49

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昨日の内容に戻って考えている。
雷雲内の電荷の担い手である霰(原則負に帯電)や氷晶(原則正に帯電)は物理的に独立していると書いたけれど、現実には同極性の電荷なら引き合うし、異極性なら引き合うので、物理的には決して独立しているわけではない。それゆえ空間的観点からは、離れて存在しているという方が正確だろう。
さらに考えたいのは、上昇流や下降流という力学的力と、クーロン力の双方が、これらの霰や氷晶に働いており、力学的(物理的)には極めて複雑なんだろう。ただ力学的力とクーロン力を比較すれば、力学的力の方がクーロン力に比べ数段強い。だからクーロン力は、雷雲の中にあっては「摂動」なんだろうと、天邪鬼爺は考えている。雷雲となるための電気的二重層は、そう言った天の配剤(神の悪戯)ともいうべき、微妙な摂動の上で出来上がっているのだろう。そしてひとたび放電開始となれば、摂動であるクーロン力が無くなり、電気雪崩もレインガッシュも起こるのではないだろうか。
なお力学的力の方がはるかに大きいことは、以前話題に挙げたスパイダーライトニング、雷雲アンビルの正電荷が、反発もしあわずに存在しやがてスパイダーライトニングとなることからも理解できるのではないだろうか。
(この稿続く)
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2023年01月24日

雷放電の観測 48

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雷放電は、まぎれもなく高電圧現象である。
しかし電力工学などで扱う、高電圧や放電と根本的に異なる点がある。
それは電荷を蓄えている雷雲内の霰や氷晶が、非常に多数で構成されているうえ、それぞれが独立しかつ物理的に離れて存在しているという点であろうか。従って雷放電を模擬するのに、平板電極や棒電極を用いて行う室内実験では、電気・電力機器の耐雷試験には意味があるだろうけれど、放電現象そのものを模擬できるわけではないのである。それゆえこういった実験を「模擬雷」と呼ぶのは、いただけないと私は本音で信じている。雷雲は蓄電器という理解も、蓄電器が絶縁された二枚の電極で構成されているのが普通なので、これまた正しくはないというのが私の主張である。確かに雷雲と大地は、巨視的には蓄電器に等価と思えるけれど、ひとたび雷放電となれば、どのような過程を経て孤立して存在している電荷が一塊となるのか、そのことを理解しない限り、雷放電現象を理解したことにはなりえないのであろう。そしてそのカギを握っているのが、双方向性リーダの進展というあの仮説だろうと、この天邪鬼爺は信じている。双方向性リーダ進展は、放電開始点の電荷保存則という、至極単純で当たり前の物理法則に基づいて解釈できるだけに、この上もなく面白い。リーダも、帰還雷撃も、K変化も、その他の現象も、同様の論理でに説明できるに違いない。
(この稿続く)
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2023年01月23日

雷放電の観測 47

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春節祭Chinese New Yearの大騒ぎが続いている。
そんな中そろそろ、しばらく中断していた、雷放電の観測に話題を戻す。
何度も行ったり来たりしているが、「落雷や雲放電」に伴って放射される電磁界、観測機器の進歩に伴って、かつては見えなかった現象まで、見えるようになってきた。だから大先輩の先生方の皮肉を込めた
「河崎君達のやっていることは、昔我々がやっていたことを繰り返しているだけだよ!」
という言葉は、決して当たらないと私は信じている。
例えば、LF/MF波帯の多地点測定で、リーダー進展様相に加え,雲内の進展様相、雲内電荷分布の推定等々が可能となっている。K変化なども完全とはいえないまでも、発見されたブルック-北川両先生の推論が、どこまで正しく、どこからが不足していたかがわかるようになった。さらにこれは天邪鬼爺の理解ながら、VHF波帯の干渉計観測を重ねることで、さらに完全なシナリオを、完成させることが出来ると信じている。はてさて
(この稿続く)
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2023年01月21日

レーザ誘雷 2

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天邪鬼爺のこの私、一応は学識経験者である。
その学識経験者が矜持としているのは、他人の真似はしないという点。とりわけ研究に関しては、頑固にそのことに拘ってきたつもりである。
だから今回の
「レーザによる、世界最初の誘雷」
と吹聴する、同業者には心底苛ついてしまう。いや吹聴しているのはマスコミ報道かも知れない。となると、そんなマスコミ報道に鼻白むでしまうと書くべきかもしれない。
まぁ確かにまだ今回の論文には目を通していないが、本当に世界最初と記述していたとしたら、これは倫理観の欠如と非難したい気がしている。
昨日も書いたように、30年近く昔(1997年1月29日)、中心となって実験を成功させたUS君が、英語の論文として公表しているのだから。
それに今回のスイスのグループの実験、
「塔を建てその先端にレーザビームを照射することによりレーザプラズマを生成、そのプラズマで誘雷する。」
というアイデアは、大阪大学や電力中央研究所のアイデアであった筈である。いやそれ以前にも、アメリカ人の研究者が、そんな夢を語っていたと記憶している。ただ具体的にそのアイデアで世界最初に誘雷したのが、大阪大学レーザ研のグループであったことは間違いない。拘る様ながら、それが私達の誇りなのである。
上向きリーダの発生成功2回、誘雷成功1回。ただ残念ながら誘雷成功時の光学記録(ビデオ画像)はない。
(この稿続く)
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2023年01月20日

雷放電の観測 47

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1990年代、レーザ研が「誘雷実験」を行った福井県三方郡美浜町の岳山周辺に、我々は雷放電の観測を実施していた。もちろんレーザ誘雷実験にも参加し、レーザ照射のタイミングを、雷雲による電界を測りながら、レーザ研グループに提供していた。参加したのは主として学部四年生や修士課程学生であったが、現在岐阜大学の教授となっているWD君、これまた現在母校大阪大学の教授となっているUT君が中心であった。
WD君は、誘雷塔と我々が呼んでいた、山頂に立つ地上50mの塔先端にフィールドミルを取り付け、さらに100m近く離れた地上にも同じフィールドミルをおいて、同時観測を行った。目的は、高さ50mの塔が電界をどれほど強めるかを、観測的に明らかにすることで、両観測の比較をしたところ、きれいな直線性が認められた。つまるところ、地上で電界をモニターしていれば、塔頂の電界強度が推定でき、レーザ照射のタイミングが容易に判断できるといった具合だった。一方UT君は、以前この稿で紹介してきた、LF・MF波帯の電界測定器を適当な距離を離して5.6基設置し、GPSを利用してマイクロ秒の精度で多地点での観測の時間合わせを実現した。その観測結果は、雷放電の開始に関しての新しい知見を提供、アメリカ地球物理学会誌に掲載され、UT君の出世作となっている。ちなみにWD君の論文も同じ地球物理学会誌ではなかったろうか・・・。
(この稿続く)
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2023年01月19日

レーザ誘雷

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スイスのグループが、標高2000mの山の上で、レーザーによる誘雷を成功させたと、マスコミ、各社が報道している。マスコミ、新聞報道によれば、世界最初という事ながら、大いに疑義がある。口幅ったいようながら、大阪大学のレーザ研は、四半世紀も昔の1997年に福井県三方郡にある岳山で、大出力の炭酸ガスで誘雷を成功させ、その時中心になって頑張っていたUSさんが査読付きの論文誌に英文の論文として発表しているので、
「世界最初」
とは、いやはや片腹痛い。
とはいえ、今回のレーザは、高繰り返し可能な半導体レーザという事で、真新しさもあることは間違いない。
四半世紀昔の私達の反省は、使用したレーザが大出力過ぎて小回りが利かないので、タイミングを外しがちといった辺りにあり、かかる意味で今回の成功には、我々も学ぶべき点も少なくない。
というわけで、74歳の天邪鬼爺が、もう一度誘雷実験をしたいと、胸をわくわくさせている次第である。
(この稿続く)
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2023年01月18日

雷放電の観測 46

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北陸冬季の雷活動に、話題が及んでいる。
「雲底をなめるように進む放電」
という、一つの特徴について考えている。
1988年だったか、学術振興会の援助で中国科学院と共同研究を、中国で実施した時のことである。共同観測の期間が終わって、私は蘭州を訪れた。ちなみに蘭州は、海抜2000m程度の高地である。滞在は二週間程度であったろうか?その間に何度か雷雨を、経験した。ある夕方、雷活動が始まった時、私はその後日本にやってきて工学博士の学位を取得、今日では岐阜大学の教授であるWD君と一緒にいた。そのWD君、
「先生、蘭州の雷も、日本の冬季雷のように、雲底を長く伸びて行くのです。」
と、何度も、何度も説明してくれた。
その後私は、フロリダでスパイダーライトニングを経験し、アール、マズールさん等の
「雷活動終焉期の、アンビル(鉄床)に蓄えられている正電荷が中和される現象。」
と、定性的な解釈を教えられ、北陸冬季の雷放電も蘭州高原の雷放電も、共通点があるのだろうと考えるようになったのである。
(この稿続く)
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2023年01月17日

雷放電の観測 45

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74歳の誕生日、阪神淡路大震災(1995年)の日。早いもので28年も経った。

今年二回目の一時帰国である。
十日前の時も、日本の寒さに恐々としたけれど、今回も同様。
考えてみれば、もはや大寒も近い。


何度か繰り返しているように、雷放電は大電流による電荷の中和により、完結する。とはいえ、大気の流れが雷雲内の電荷分離を併せて引き起こしており、先に書いた「完結」は、一つの放電現象としての「完結」を意味しているので、雷雲の活動の「完結」を意味しているわけではない。まぁ確かに、冬季の北陸には「一発雷」と呼称される雷雲の活動もあるけれど、本当に一回きりだったかどうかは、はなはだ疑問である。少なくとも、天邪鬼爺の私には、疑問で
「夏季の雷雲活動に比して、放電数が格段に少ない。」
といった、意味合いなのだろうと、理解している。
北陸冬季の雷活動が話題として上がって来たので、少し考えてみたい。私自身の雷放電の研究は、冬季雷の観測が最初であった。そしてその特徴として(夏季雷活動との比較において)
1. 正極性落雷の比率が高い
2. 一発雷の呼称のように、活動自体が比較的低調
3. 大電流、大電荷の落雷が多い
4. 雷鳴の継続時間が長い
5. 雲底をなめるように進む放電が顕著
6. 鰤起こし、雪起こし

があり、これらすべてを満たすような雷雲モデルが必要であると、主張したこともあった。(この稿続く)
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