2023年01月23日

雷放電の観測 47

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春節祭Chinese New Yearの大騒ぎが続いている。
そんな中そろそろ、しばらく中断していた、雷放電の観測に話題を戻す。
何度も行ったり来たりしているが、「落雷や雲放電」に伴って放射される電磁界、観測機器の進歩に伴って、かつては見えなかった現象まで、見えるようになってきた。だから大先輩の先生方の皮肉を込めた
「河崎君達のやっていることは、昔我々がやっていたことを繰り返しているだけだよ!」
という言葉は、決して当たらないと私は信じている。
例えば、LF/MF波帯の多地点測定で、リーダー進展様相に加え,雲内の進展様相、雲内電荷分布の推定等々が可能となっている。K変化なども完全とはいえないまでも、発見されたブルック-北川両先生の推論が、どこまで正しく、どこからが不足していたかがわかるようになった。さらにこれは天邪鬼爺の理解ながら、VHF波帯の干渉計観測を重ねることで、さらに完全なシナリオを、完成させることが出来ると信じている。はてさて
(この稿続く)
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2023年01月22日

初デート

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春節祭 Chinese New Year
猛烈な寒波が日本を襲っている。
そんな今日、シンガポールで親しくなった友人家族と奈良で出会うことになっている。
表題の初デートで,ギョッとされたご常連様もいらっしゃるだろうが、残念ながら色っぽい話題ではない。本帰国されてほぼ一か月、7歳のお子さんの一か月間の成長が興味深い。
というのも、帰国されてそのお子さんのおっしゃったのが
「どうしてみんな日本語しか話さないの?」
であったと聞かされたほど。
数年ぶりの日本への帰国で、彼にとってすべてが新しかったのだろうから。
初デートの模様は、夜にでも再掲したい。
(この稿続く)
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2023年01月21日

レーザ誘雷 2

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天邪鬼爺のこの私、一応は学識経験者である。
その学識経験者が矜持としているのは、他人の真似はしないという点。とりわけ研究に関しては、頑固にそのことに拘ってきたつもりである。
だから今回の
「レーザによる、世界最初の誘雷」
と吹聴する、同業者には心底苛ついてしまう。いや吹聴しているのはマスコミ報道かも知れない。となると、そんなマスコミ報道に鼻白むでしまうと書くべきかもしれない。
まぁ確かにまだ今回の論文には目を通していないが、本当に世界最初と記述していたとしたら、これは倫理観の欠如と非難したい気がしている。
昨日も書いたように、30年近く昔(1997年1月29日)、中心となって実験を成功させたUS君が、英語の論文として公表しているのだから。
それに今回のスイスのグループの実験、
「塔を建てその先端にレーザビームを照射することによりレーザプラズマを生成、そのプラズマで誘雷する。」
というアイデアは、大阪大学や電力中央研究所のアイデアであった筈である。いやそれ以前にも、アメリカ人の研究者が、そんな夢を語っていたと記憶している。ただ具体的にそのアイデアで世界最初に誘雷したのが、大阪大学レーザ研のグループであったことは間違いない。拘る様ながら、それが私達の誇りなのである。
上向きリーダの発生成功2回、誘雷成功1回。ただ残念ながら誘雷成功時の光学記録(ビデオ画像)はない。
(この稿続く)
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2023年01月20日

雷放電の観測 47

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1990年代、レーザ研が「誘雷実験」を行った福井県三方郡美浜町の岳山周辺に、我々は雷放電の観測を実施していた。もちろんレーザ誘雷実験にも参加し、レーザ照射のタイミングを、雷雲による電界を測りながら、レーザ研グループに提供していた。参加したのは主として学部四年生や修士課程学生であったが、現在岐阜大学の教授となっているWD君、これまた現在母校大阪大学の教授となっているUT君が中心であった。
WD君は、誘雷塔と我々が呼んでいた、山頂に立つ地上50mの塔先端にフィールドミルを取り付け、さらに100m近く離れた地上にも同じフィールドミルをおいて、同時観測を行った。目的は、高さ50mの塔が電界をどれほど強めるかを、観測的に明らかにすることで、両観測の比較をしたところ、きれいな直線性が認められた。つまるところ、地上で電界をモニターしていれば、塔頂の電界強度が推定でき、レーザ照射のタイミングが容易に判断できるといった具合だった。一方UT君は、以前この稿で紹介してきた、LF・MF波帯の電界測定器を適当な距離を離して5.6基設置し、GPSを利用してマイクロ秒の精度で多地点での観測の時間合わせを実現した。その観測結果は、雷放電の開始に関しての新しい知見を提供、アメリカ地球物理学会誌に掲載され、UT君の出世作となっている。ちなみにWD君の論文も同じ地球物理学会誌ではなかったろうか・・・。
(この稿続く)
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2023年01月19日

レーザ誘雷

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スイスのグループが、標高2000mの山の上で、レーザーによる誘雷を成功させたと、マスコミ、各社が報道している。マスコミ、新聞報道によれば、世界最初という事ながら、大いに疑義がある。口幅ったいようながら、大阪大学のレーザ研は、四半世紀も昔の1997年に福井県三方郡にある岳山で、大出力の炭酸ガスで誘雷を成功させ、その時中心になって頑張っていたUSさんが査読付きの論文誌に英文の論文として発表しているので、
「世界最初」
とは、いやはや片腹痛い。
とはいえ、今回のレーザは、高繰り返し可能な半導体レーザという事で、真新しさもあることは間違いない。
四半世紀昔の私達の反省は、使用したレーザが大出力過ぎて小回りが利かないので、タイミングを外しがちといった辺りにあり、かかる意味で今回の成功には、我々も学ぶべき点も少なくない。
というわけで、74歳の天邪鬼爺が、もう一度誘雷実験をしたいと、胸をわくわくさせている次第である。
(この稿続く)
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2023年01月18日

雷放電の観測 46

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北陸冬季の雷活動に、話題が及んでいる。
「雲底をなめるように進む放電」
という、一つの特徴について考えている。
1988年だったか、学術振興会の援助で中国科学院と共同研究を、中国で実施した時のことである。共同観測の期間が終わって、私は蘭州を訪れた。ちなみに蘭州は、海抜2000m程度の高地である。滞在は二週間程度であったろうか?その間に何度か雷雨を、経験した。ある夕方、雷活動が始まった時、私はその後日本にやってきて工学博士の学位を取得、今日では岐阜大学の教授であるWD君と一緒にいた。そのWD君、
「先生、蘭州の雷も、日本の冬季雷のように、雲底を長く伸びて行くのです。」
と、何度も、何度も説明してくれた。
その後私は、フロリダでスパイダーライトニングを経験し、アール、マズールさん等の
「雷活動終焉期の、アンビル(鉄床)に蓄えられている正電荷が中和される現象。」
と、定性的な解釈を教えられ、北陸冬季の雷放電も蘭州高原の雷放電も、共通点があるのだろうと考えるようになったのである。
(この稿続く)
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2023年01月17日

雷放電の観測 45

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74歳の誕生日、阪神淡路大震災(1995年)の日。早いもので28年も経った。

今年二回目の一時帰国である。
十日前の時も、日本の寒さに恐々としたけれど、今回も同様。
考えてみれば、もはや大寒も近い。


何度か繰り返しているように、雷放電は大電流による電荷の中和により、完結する。とはいえ、大気の流れが雷雲内の電荷分離を併せて引き起こしており、先に書いた「完結」は、一つの放電現象としての「完結」を意味しているので、雷雲の活動の「完結」を意味しているわけではない。まぁ確かに、冬季の北陸には「一発雷」と呼称される雷雲の活動もあるけれど、本当に一回きりだったかどうかは、はなはだ疑問である。少なくとも、天邪鬼爺の私には、疑問で
「夏季の雷雲活動に比して、放電数が格段に少ない。」
といった、意味合いなのだろうと、理解している。
北陸冬季の雷活動が話題として上がって来たので、少し考えてみたい。私自身の雷放電の研究は、冬季雷の観測が最初であった。そしてその特徴として(夏季雷活動との比較において)
1. 正極性落雷の比率が高い
2. 一発雷の呼称のように、活動自体が比較的低調
3. 大電流、大電荷の落雷が多い
4. 雷鳴の継続時間が長い
5. 雲底をなめるように進む放電が顕著
6. 鰤起こし、雪起こし

があり、これらすべてを満たすような雷雲モデルが必要であると、主張したこともあった。(この稿続く)
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2023年01月16日

雷放電の観測 44

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「雷放電に伴って放射されるVHF波を測定して、放電の進展様相を可視化することを目的として干渉計を設計・製作した。」
というのが、正直な表現である。最初は狭帯域干渉計、のちに広帯域干渉計という事になろうが、足掛け30年近くに及ぶのだから、なるほどと考えるほかはない。私がこのように拘ってきたのは、雷放電の開始から終焉までを理解するのに最適な方法と考えたからである。確かに我々の分野の大先輩である南アフリカのプロクターは、1970年代の労作(大作)して、複数の点で記録したVHF波に時間作法を適用して、極めて詳細な放電の様相を発表している。彼の仕事を労作(大作)と表現するのは、1970年代の研究だからであって、今日ならGPSがあり、ずいぶんと速いAD変換器がありで、時間差法による位置推定は、比較的容易に実現できるようになってきている。しかしプロクターが理解しえなかった、バースト状のVHFについては、残念ながら時間差法では今日の技術と言えど、いかんともし難く、だからこそ我々は狭帯域から広帯域へと干渉法を根本的に見直しての努力を続けているのである。そして愛弟子のAM君は、バースト状のVHFパルスの放射源を明らかにしようと、頑張っている。
(この稿続く)
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2023年01月15日

雷放電の観測 43

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日本では昨日今日と大学入学試験共通入試が実施されている。
共通一次試験、センター試験、共通試験と名前を変え、当然内容も変え、入試地獄の解消という名目で始まって、なんと48年、ほぼ半世紀になる。入試地獄が本当に解消できたのかは、はなはだ疑問ながら。


雷放電の観測で、私が一番力を注いできたのは、VHF波帯の観測である。
とっかかりは、サフィア(SAFIR)と命名された「狭帯域の干渉計」で、フランスのDIMENSION社から買い求めた。正確には共同研究をやっていた、電力会社に買い求めてもらったという事になる。やがて自前の干渉計も製作し、最終的には放電進展の三次元可視化も成し遂げた。SAFIRとの設計指針の根本的な違いは、一秒間の可視化できるパルス数の上限を100としていたのに対し、自前のはとりあえず2000パルスまでを可能としたのである。ちなみにSAFIRはアンテナ間の距離が100q、当時のデータ転送にはMODEM利用で1920ボーという低速(今日では考えられない遅さである)であったため、一秒間100パルスと設計されていた。余談ながら、SAFIR の稼働で、GPSの利用を覚え干渉計や電界観測にも利用するようになった。
いきなりVHFパルスの話しとなったけれど、干渉計は放電の開始から終焉までをひっくるめて観測するために設計、この周波数帯だと、雷放電に伴い放射されるのはマイクロ秒程度の時間幅を持つパルスが放射されるのである。
(この稿続く)
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2023年01月14日

雷放電の観測 42

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そもそも雷放電の研究は、近世(ナポレオンの頃かなぁ)になって、戦時下の弾薬庫の被雷事故対策が発端になったといわれている。まぁそんな昔のことはさておき、私が知っているのは1970年代(多分)、北米大陸西海岸、落雷による山林火災を監視するという目的で、雷放電研究の大家であるUmanとKriderがゴニオメーター方式(磁界測定による方向探査)による、LF-MF帯の落雷位置標定装置ともいうべきLightning Location and Protection (LLP)を商品化したことである。同じ頃にLightning Positioning And Tracking System (LPATS)も商品化され、こちらは時間差法(TOA)なのだが、両システムの販売合戦は相譲ることなく、しのぎを削ったのである。ただ時間差法は、複数のアンテナ局間の時間同期の正確さが、標定点の精度を左右することになる。そして開発された当時はまだGPSが実用段階に至ってないこともあり、時間同期の精度があまり重要因子でないLLPの方が徐々にリードを広げていった。ところが1980年代後半になってGPSの商用利用が可能となり、逆に守勢であったLPATSが勢いを得ることとなった。やがてLLPとLPATSを統合したIMPACTというシステムが誕生、LF-MF波帯の落雷位置標定装置としてはある意味最適化された装置という事になろう。いずれにしてもLF-MF帯の現象で、帰還雷撃電流の放射する電磁界の(電磁波)の測定で、落雷電流の推定も併せて可能なことから落雷監視という意味では極めて実用的で、今日でも世界中の国々で利用されている。北米大陸のNLDN我が国のJLDNがよく知られており、現在ではフィンランドのバイサラ社の製品となっている。
(この稿続く)
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