⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!雷放電に関する研究は、耐雷・防雷という側面と、大気科学という側面に大別できるのではないかというのが私の持論です。そして科学研究補助金への申請には、大気科学の立場に立っての方が有利かと考えています。加えて大気科学の観点も
、「積乱雲の発生及び電荷分離」に始まって
「放電の開始、進展」を経て
「積乱雲の衰退、雷放電活動の終焉」に至るまでの様々なフェーズがあり、我々の干渉計では、放電の開始(場所、時刻)や放電進展の様相を三次元的にとらえることが出来ますし、電界計の観測と併せることにより放電に寄与した電荷の位置や量も定量的に推定できるようになっています。加えて雷放電の機構を深く理解するため、干渉計の時間精度分解能は、サブマイクロ秒まで高めてあります。しかし残念ながら先に紹介した
「積乱雲の発生及び電荷分離」という側面に関しては、干渉計の観測は陽には寄与しないだけではなく、現象自体は分の単位の観測で十分と考えられ、このあたりが雷放電研究の難しいところとなっています。さらに
「積乱雲の発生から終焉までは」時間尺度では一時間超ですから、現象論的には、積乱雲活動の理解には時間の分解能が必要であるのに対し、ひとたび雷放電が起こればサブマイクロ秒の分解能が必要ですから、8桁から9桁の開きがあるのです。言い換えれば気象学的な観点からの雷放電活動の議論は、なかなか嚙み合わないというのが実情ですし、そのあたりが雷放電活動の研究および予測の難しさに違いありません。実際テレビ放送の気象予報では、依然として雷放電活動が
「あった」、「なかった」の一ビットの情報しか報告されていないことからも、判ると思いますし、雷活動の活発な東南アジアでも、同様と言っても言い過ぎではないと考えてます。たとえ雷雨日数や、雷放電の1平方qあたりの年平均値が求められていることを考慮したとしても、結局情報量としては1ビットなのです。
一方シンガポールに来てほぼ10年、雷活動の多発時期には、毎日のように雷鳴を聴き
「日本に比べて、いかにも活発だなぁ!」の実感はあります。しかもその雷鳴も日によってまるで異なった印象であることが多いような気がしており、観測手段のさらなる工夫により、学問的に議論を進めることが可能ではないかという、夢のような希望です。例えば
「電荷分離機構の様相」を、リモートセンシングできれば、それもサブミリ秒単位で定量計測できれば、雷放電の開始を秒単位で予測できるようになるのではないかと考えています。

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