少し時間を巻き戻して、帰還雷撃の光学観測について触れておきたい。
ジョーダンの論文には、帰還雷撃の上昇に伴い、急峻だった電流波形の立ち上がりが徐々に緩やかになる傾向が示されていた。ただしその手法は、各高度で得られた波形をアナログ的に比較したもので、結論としては「定性的に見れば、進行とともに立ち上がりが緩やかになる」という程度にとどまっていた。
一方で私たちは、二本のフォトダイオードの出力をデジタル化し、フーリエ解析を用いて「電流のなまり方」を定量的に議論する試みを始めていた。その成果をパリの国際会議で発表したのだが、私の拙い英語のせいもあってか、フランスONERAの研究者以外にはあまり響かなかったようである。ところが発表後、ONERAから参加していた五、六名の研究者が演壇に駆け寄り、口々に「非常に良い内容だった!」と称賛してくれた。その瞬間の感激はいまも忘れられないし、この出会いがきっかけとなって、彼らとの交流はその後も長く続くことになった。
思えば当時、彼らは狭帯域干渉計を用いて放電進展の観測を行っており、「位相」という概念に精通していた。だからこそ、私のフーリエ解析の議論をすぐに理解してくれたのだろう。。ちなみに40年経った今日でも、あの内容には自信があり、自慢論文の一つにもなっている。
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